頭皮毒デトックス

頭皮のかゆみ、ベタつき、脂、独特な匂い。気になることたくさんありますよね。これらを放置してると抜け毛や薄毛になっていきますから。変にシャンプーしまくるよりも自分にあったお手入れを見つけましょう。

皮脂の量より皮脂の質

従来の育毛対策の限界

皮脂の量が皮脂の質よりも重視されてきたのがこれまでの育毛対策といえます。皮脂をいかに少なくするか、ということが育毛対策だと思われてきたのです。確かにべたべたしてるよりしてないほうがいいようには思えます。脂というのは何か毒のようにも思えてしまいます。しかし皮脂というのは本来人間の体にとって非常に重要なものです。これは頭皮だけでなく人間の体全体で言えることです。最近湯シャンなども人気ですが、とにかく洗いすぎることの害は大きいのです。そして皮脂は頭皮もそうですが、人間の皮膚全てにおいて、保護の機能を持ちます。また代謝を促進する機能を持ちます。それらの機能を担うのが皮脂の主成分である脂肪酸です。

この脂肪酸を酸化させないことが育毛対策では最重要になってきます。つまり皮脂の量ではなく皮脂の質が重要だということです。皮脂が酸化すると頭皮毒になります。そしてその原因は体内から生成されている活性酸素です。ですので、育毛対策は活性酸素対策を徹底して行うことが一番重要になってきます。従来の育毛対策のように毛髪に対する栄養補給(それも外部から)、頭皮の血行促進のための血管拡張剤というのは瞬間的な対処法でしかないというのが毛髪が成長する仕組みを理解するとよりわかりやすくなると思います。

偶然から生まれた馬油

育毛対策のヒントになるのが馬のたてがみです。馬のたてがみと言うと焼肉を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、

 

そうではなく、本当にあのふさふさしたたてがみそのものです。あの馬たてがみ、スポーツニュースなどで競馬を見る時、いつもふさふさだと思いませんか?もしくは牧場に行ったときに見る馬も、いつもふさふさだと思いませんか?馬だって動物ですから体調が悪い時だってあるでしょう。でもあまりぼさぼさのたてがみの馬って見たことがない気がしませんか?馬のたてがみも人間の髪の毛と一緒で体から生えていますから、体から栄養を補給されて成長しているわけです。そしてその時に非常に重要な役割をしているのが馬油だと言われています。

昔の人も馬のたてがみがいつもふさふさとしているのは馬の皮脂にあると考えたようです。そのため馬の皮脂を集めた馬油は古来よりお肌のメンテナンスに使われてきました。5~6世紀頃の中国の医師、陶弘景によると、馬油は髪を生ず”と「名医別録」に書き記されているのです。さらに16世紀頃中国の医師李時珍も馬油について薬物学書「本草綱目」にて馬脂(馬の油)について言及しており、その効果効能は肌荒れ治療やしみ・そばかすの除去、筋肉痙攣の緩和などだと述べています。

日本では「馬油」は登録商標です(第2712496号)。この馬油は筑紫野市針摺という場所で、昭和初期に日本で初めて商品化されました。商品化したのは直江昶(なおえとおる)さんという方です。この方は薬師堂グループ3社の創業者になります。昶さんの父親は精密機械や合成樹脂成型品を製造する会社を経営していたので、昶さんもそこで働いていた1人でした。いわゆる家業を手伝っていたというわけです。しかしその時に大きな火傷を手に負います。本人はもう医者でもこのやけどは治らないと思ったそうですが、その時に、偶然にも数日前に馬の脂が火傷に効く、ということを耳にしていたことを思い出したのです。駄目元で試してみようということで、馬の脂を手につけていたところ、なんと火傷がきれいさっぱりと治ってしまったというのです。

これにびっくりした直江昶氏は、馬の脂の効果効能を研究し始め、今では昭和初期の医道研究家とまで呼ばれるようになっています。馬油の効果は火傷、切傷、水虫、育毛、シミ・ソバカスなどに及ぶと言われています。直江昶氏はすぐに商品化をしようとしましたが、なんとこれに待ったをかけたのが厚生省。皮膚保護剤としての研究の前例がないということで、認可が下りなかったのです。仕方なく直江昶氏は食用油脂として販売し始めたそうです。その時につけられた商品名が馬油=ばあゆです。

 脂肪酸の酸化を防止せよ

 血液さらさら効果を持つ脂としてDHAやEPAの名前を聞いたことはあるかと思います。青魚などに含まれる成分です。これらの脂肪分は不飽和脂肪酸と呼ばれ、飽和脂肪酸と呼ばれるラードやバター、牛脂などと区別されます。不飽和脂肪酸の中には血液をさらさらにする効果をもつものがあるということなのです。

このことを良く示す例として挙げられるのがエスキモーです。彼らは青魚に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸をよく摂取しています。といっても直接青魚を食べているわけではなく、主食はアザラシです。アザラシの主食はイワシです。イワシは動物性プランクトンを食べています。動物性プランクトンは植物性プランクトンを食べているという食物連鎖ですが、とにかくアザラシの肉を通じてEPAやDHAといった不飽和脂肪酸を摂取しており、血液がさらさらになっているために脳梗塞になりにくいと考えられました。血液がさらさらで、血管中で脂肪がつまることはないということです。

しかし、なぜかエスキモーの人達の中には心筋梗塞になる人が多かったそうです。なぜでしょうか?その原因として考えられるのが、有害重金属である水銀です。つまり、アザラシを通じて食べていた魚の中に水銀が含まれており(海洋汚染)、それを食べ続けたエスキモーの人の体内にも水銀がどんどんと蓄積され、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が活性酸素によって酸化されて心臓の血管が損傷した、というのが考えられる原因です。

不飽和脂肪酸は不安定な脂です。安定しているのが飽和脂肪酸です。常温でも固体として存在することができます(バターなど)。このため不飽和脂肪酸は活性酸素の影響を受けやすいです。水銀のような有害重金属が蓄積したことによって発生した活性酸素が不飽和脂肪酸を酸化させてしまったのです。となると、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸を食べる時は一緒に抗酸化作用を持つ食べ物(ビタミンCやビタミンEを含む食べ物)を食べるといいかもしれません。体内に活性酸素が大量に発生している状態で、いくら血液をさらさらにするからといって、容易に酸化しやすい不飽和脂肪酸を食べてしまっては、わざと体内で有害物質を発生させようとしているとも言えます。

不飽和脂肪酸を酸化させない、ということは育毛対策にとっても重要になってきます。育毛対策には皮脂の質が重要ですから、そのために脂肪酸を酸化させてはいけないのです。活性酸素を発生させないのが一番ですが、全く発生させないのは人間としては無理ですし、人間は活性酸素とともに生きているわけです。となると自分自身で抗酸化作用を持つ食べ物を食べていく必要があるわけです。

抗酸化食品

抗酸化作用を持つ主な食品としては、

・にんにく

・生姜

・アボガド

・アーモンド

・ポリフェノールが豊富に含まれるブルーベリーやラズベリー

などが挙げられます。よく言われるのは色の濃い野菜を食べろ、といったことです。色が濃い食べ物は抗酸化力も強いといわれていますので、試してみてくださいね。

そのほかにも飲み物でも抗酸化作用を持つものとしては、

・緑茶

があります。ワインなどもポリフェノールが含まれる飲み物として有名ですが、アルコールの影響も考えると、緑茶は最適な抗酸化ドリンクになってくるのではないでしょうか。