頭皮毒デトックス

頭皮のかゆみ、ベタつき、脂、独特な匂い。気になることたくさんありますよね。これらを放置してると抜け毛や薄毛になっていきますから。変にシャンプーしまくるよりも自分にあったお手入れを見つけましょう。

発毛の仕組み

皮脂腺や汗腺が多い頭皮

発毛の仕組みを理解することは頭皮毒の理解にも重要です。頭皮は体の他の部位と基本的には同じ構造をしています。しかし日光が一番最初に当たる部位ということも関係しているのかもしれませんが、皮脂腺や汗腺が他の部位よりは多くなっています。日光が当たった時に温度が上がりすぎてしまうと、脳がボーっとなって動けなくなるということを踏まえてのことかもしれません。髪の毛というのはそういった機能を持つ頭皮をできるだけ守ろうとする防御機能も担っていると言うことができます。

発毛するためにはもちろんのことですが、栄養が必要になります。髪の毛の主成分は90%がたんぱく質です。わかめを食べれば髪の毛がふさふさになるという話もありますが、その前に必要になってくる栄養素がたんぱく質です。もう少し詳しく言うと、ケラチンたんぱく質と呼ばれるたんぱく質です。たんぱく質はアミノ酸がつながってできているものですが、そのつながり方次第でいろいろな呼び方があり、体の各部位に対応した形になっています。

ケラチンは18種類のアミノ酸がつながってできているたんぱく質で、髪だけではなく、爪や皮膚の角質層の主成分でもあります。髪や爪の場合は硬ケラチン、皮膚の角質層の場合は軟ケラチンが主成分になっています。ちなみに、ケラチンに含まれるアミノ酸ですが、

グルタミン酸、シスチン、ロイシン、アルギニン酸、セリン、アスパラギン酸、スレオニン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、グリシン、チロシン、バリン、アラニン、フェニールアラニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシプリン

の18種類です。これらのたんぱく質(アミノ酸)を摂取しないと、いくらわかめを食べても髪の毛を作る材料がないために、髪がふさふさになるということはないと考えられます。余談ですが、髪の毛を何かのアクシデントなどで燃やしてしまった経験がある人ならわかるのですが、温泉の硫黄のような匂いがします。これは、ケラチンが硫黄を含むたんぱく質(アミノ酸)だからです。(さらに余談ですがこのように人間の体の中では微量元素が大きな役割を果たしています。)

話を元に戻しますと、毛髪を成長させるための栄養は頭皮内の毛細血管によって運ばれます。この毛細血管は首から頭部に向って伸びている動脈から枝分かれしています。顔面から前頭部の顔面動脈、

 

即頭部からの浅側頭動脈、後頭動脈などの動脈があることが知られています。動脈から枝分かれしている毛細血管によって栄養素と酸素が運ばれ、二酸化炭素、老廃物の回収も毛細血管によって行われています。つまり毛細血管が張り巡らされていることと、血液の流れがスムーズであることは毛髪に限らず人間の生命活動に非常に重要だということです。毛細血管を通じて運ばれた酸素と栄養素、それらを使って毛母細胞が細胞分裂をして毛髪を作っているのです。

毛髪の構造

毛髪の構造としては、頭皮の内側と外側に出ている部分に分かれます。内側部分は毛根と呼ばれ、毛根はさらに毛包と毛球に分かれます。頭皮の外側に出ている部分は毛幹とよばれます。少し聞きなれない名前が多いですが、ここを理解しておくと毛髪の成長、つまり細胞分裂の仕組みがわかり、発毛の仕組みがわかるようになります。

発毛のメカニズムですが、ポイントになってくるのは毛母細胞の細胞分裂です。毛母細胞に接している毛乳頭が刺激を毛母細胞に与えます。刺激は様々な物質を分泌することで行われます。この刺激をトリガーに、そしてさらには毛細血管を通じて運ばれてきた栄養素と酸素を使って、毛母細胞は細胞分裂を行い、その結果毛髪が成長していく、という仕組みなのです。

ヘアサイクルは髪の毛のライフサイクル

髪の毛にはヘアサイクルという周期があります。1日に髪の毛が伸びる長さは0.3ミリ~0.5ミリなのであまり急激な伸びを感じませんが、継続的に伸びていくので、気づいたら伸びている、ということがよくあると思います。伸びきると髪の毛は自然と抜けていきます。そして抜けた後に同じ穴から再び毛が生えてくるのです。この繰り返しのことをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。

このヘアサイクルには3つのフェーズがあります。1つ目が成長期、2つ目が退行期、3つ目が休止期です。このフェーズは均等に訪れるわけではありません。実は正常な髪の毛の場合全体の9割は成長期なのです。この成長期というのは名前の通り髪の毛が成長している期間で、実に2年~7年に及びます。成長しているというのは毛母細胞が細胞分裂を活発に行っているということでしたね。見た目には紙が伸びる、ということになります。

ここから考えると・・・髪の毛をどこまで伸ばせるか、ということに挑戦するのであれば、最長7年間ということになります。7年以上は成長期も終わり、髪は長くなりません。もちろん個人差がありますから成長期が人によっては7年だったり8年だったりするかもしれませんので、多少の差は出てきます。しかし、成長期が終わったら髪の毛はもう伸びるのではなく、抜ける準備に入りますから、伸ばすことはできないのです。

成長期が2年~7年に対して、退行期は2~3週間程度です。抜ける前の衰退期のようなもので、毛母細胞の細胞分裂活動が急激に縮小してしまいます。毛根も小さくなり、抜ける準備をしているような状況です。

そして休止期ですが、3~4ヶ月ほどです。もうここまでくると毛母細胞の細胞分裂は完全に停止します。毛が抜けた後は次の毛が生え始めるまでしばしの休息です。

ヘアサイクルが乱れると薄毛状態に

このヘアサイクルは通常2~7年です。しかし通常でない場合があります。そうすると各フェーズの期間、特に成長期が短くなってしまいます。そうなるとどうなるか。髪の毛が十分に大きく、長く、太くなる前に毛母細胞の細胞分裂が止まるということです。当然ながら細く、短い毛なので、抜けやすい状態です。その状態が続くと薄毛・・・と呼ばれる状態に突入します。

もし全てのヘアサイクルが同じタイミングで始まり、同じタイミングで終わるとしたらどうなるでしょうか。人間の頭から一時的に髪の毛がなくなる時期が来る、、、のかもしれません。しかし、うまいことにそうはなっておらず、ヘアサイクルの開始時期や終了時期はずれています。だから一気に大量の毛が抜けるといったことはないのです。ふさふさの時期とはげている時期がある人は見たことがありませんよね。

脱毛の原因

ヘアサイクルが崩れてしまい、脱毛が早まり、そして薄毛状態になる原因はいくつかわかっています。

血流の低下をもたらす加齢、動脈硬化

毛細血管が栄養と酸素を運び、二酸化炭素と老廃物を回収するというお話を先ほどしましたが、この活動が低下すると、つまり血流が低下するとヘアサイクルが乱れます。新しく毛を作るために毛母細胞が細胞分裂をしようとしてもそのための材料がないために、分裂をやめてサイクル自体を終えようとしてしまうということです。そしてその血流の低下をもたらすのが加齢であったり動脈硬化です。毛細血管自体の活動が低下してしまうということです。

頭皮は心臓から比較的遠い場所にあります。しかも心臓よりも上部にあり、重力にさからって血液を流さなくてはなりません。そうなると、動脈硬化については特に影響が出やすい位置にいることになります。逆立ちをしてみると言うのも一つの手かもしれません。

ストレス

血行不良を引き起こすのは動脈硬化ばかりではありません。ストレスによっても引き起こされます。ストレスは交感神経を興奮させるのですが、この状態が続くと血管が収縮し、血流を低下させます。というのも交感神経というのは自律神経の一つであり、自律神経は血管の外側にからみついているからです。

食生活環境

まずは睡眠不足。寝る子は育つなんていいますが、それは大人にも当てはまるようで、体の修復や成長は夜行われます。それも寝ている間。起きていると様々な活動にエネルギーが使われてしまいますので、その分成長にはエネルギーが配分されません。眠ることで成長にエネルギー、栄養が配分され、もちろん頭皮の毛細血管にも酸素と栄養が行き届いた結果、健康な毛髪の成長が行われるということです。

次に食事。先ほども説明したように毛髪の主成分はたんぱく質です。まずはたんぱく質が不足していては成長の前提条件が成り立たないことになります。よく良質なたんぱく質を食べなさい、ということが言われますが、これはどういうことでしょうか。主に以下の2つの視点があると思います。

1.アミノ酸スコア

2.品質そのもの

1は桶理論と呼ばれるものとも関係していますが、アミノ酸は様々な種類がありますが、ある1種類だけだとうまく吸収できません。吸収されるためのバランスがあり、それを数値化したものがアミノ酸スコア(プロテインスコアとも)呼ばれます。これが高いものを選ばないと、いくらたんぱく質が大量に含まれていても、体内に吸収できないことになります。

オススメは卵です。少し前までは卵はコレステロールを上げるから1日1個まで、なんてお話が当たり前のように言われていましたが、厚生労働省も上限を撤廃しましたので、安心して食べましょう。ちなみにコレステロールは体内生産が80%です。もし食事からコレステロールが多くはいってきた場合は体内生産量を減らすことによって調節が行われます。

次に2ですが、これは単純に添加物だったり、お肉だったら飼育環境だったり、豆だったら農薬だったりという部分です。よりオーガニックなものを選ぶのが体にいいというのは当たり前の話です。ただし、ここは経済的な条件によっても変わってくるところです。

 食生活環境の最後3つ目は喫煙です。タバコがどうしておいしいか。よく血管をしめつけることなんて言い方もしますよね。明らかに血行を悪くしてます。タバコには一酸化炭素が含まれます。これが血液中のヘモグロビンと結びつき、毛細血管の壁を損傷させます。どんどん血行は悪くなるばかりですね。

男性、女性ホルモンの影響

 薄毛になるのはどちらかというと男性の方が多いというのは感じるところですが、これには男性ホルモンと女性ホルモンが影響しています。女性ホルモンであるエストロゲンには頭皮が必要とするコラーゲンの生成を促進したり、毛乳頭細胞の活動を促進する働きがあるのです。しかし、年齢とともにこのエストロゲンの分泌が抑制され、男性ホルモンが優位になってしまうと、薄げになってしまう、ということです。

 

これまでの脱毛対策や育毛施策の前提となっていたのがこの男性ホルモンと女性ホルモンのバランスです。つまり女性ホルモンを投与することで、毛乳頭細胞の活動を促進させて、毛を増やすということです。

しかし、どんなにホルモンを増やしたところで、体内からの毒素である有害重金属をはじめとする活性酸素を減らさない限り、もぐらたたきになってしまいます。